大事にしたかった彼女とすぐなくしてしまった腕時計


私が大学生だったころのエピソードです。当時私には交際していた彼女がおり、交際が始まって初めて迎える私の21歳の誕生日に腕時計を買ってもらいました。お互い学生であり高価なものは手が届くはずはないのですが、私好みの時計が見つかるようにと、デパートの中の時計屋に2人で一緒に買いに行きました。

そして彼女に買ってもらったのはCASIOの金属ベルトの腕時計であり、価格は1万2~3千円だったでしょうか。まあごく普通のものであったと記憶しています。私はそれまで腕時計をほとんど身につけたことがなく、誰かの腕に巻き付いた腕時計を見るたびに「カッコいい」と感じ憧れていたものです。

そんな私も今日から腕時計を身につけることとなり、大人の男性に一歩近付いたような気がしたし、何よりも愛する彼女が私のためにプレゼントしてくれたことがとても嬉しかったです。

さっそく私はその日のうちに左腕に腕時計を身につけ、彼女と晩ご飯を食べたあと、まだ時間があったので帰り道にあるバッティングセンターに寄っていくことにしました。

彼女とバッティングセンターに来たことは初めてではないのですが、その際の私は「ダサい姿は見せられない」とバッティングに真剣に臨むのが常でした。当然その時も真剣な気持ちで打席に入った訳ですが、バットを振ってみるとどうも左腕の腕時計が邪魔な感じがする…。

何か腕時計が手首に当たって痛い感じがして、私は腕時計を外して打席の隅にある荷物入れに腕時計を置きました。以降バッティングの調子はまあまあで、80球くらい打ったところで終了。

いい当たりはそれなりにあったし、格好悪い姿は見せずに済んだと満足しながらバッティングセンターを後にしました。そして駅に着いたところで彼女とは解散。
見送った後は寂しかったですが、今日は楽しいデートであったと思いながら家に帰りました。

帰宅後は2時間ほどゴロゴロしていましたが、買ってもらった腕時計の取扱い説明書でも読もうと思い、腕時計の外箱に手を伸ばしたところで気が付きました。

腕時計がない!

これまで腕時計など身につけなかったせいでそれが普通の状態であり、左腕に腕時計が巻いている感覚など早くも忘れていたのです。どこで失くしたのか?全力で思い出していると答えはひとつしかありませんでした。バッティングセンターだ!

「なくなっていたらヤバい!まだあってくれ!」と願いながら自転車を全力で走らせ、光の速さでバッティングセンターに到着。さっき打った打席の荷物入れを急いで覗き込むと!腕時計はなくなっていた…。

焦ってバッティングセンターの店員さんに尋ねましたが、落とし物としては届いていないとのことでした。そのほかバッティングセンターの店内や駅までの帰り道を一通り探したものの見つけられず、結局私が打った打席の荷物入れから誰かが持ち帰ってしまったようでした。

初めて買ってもらった誕生日プレゼントをその日のうちに紛失するなんて…。「彼女に何て謝ればいいんだろう」と落ち込みながらとりあえず再度帰宅。

しばらく悩んだ結果、腕時計を失くしたことは隠しようがないと思い、電話で彼女に正直に告白し謝ろうと決めました。激しく怒られる覚悟で彼女に話して謝ったところ、意外にも「それは仕方ないね」とアッサリ許してくれました。

内心「この恩知らず!腕時計の短針が一周すらしないうちに失くすとはどういうことだよ!この包茎野郎!」ぐらいのことは思ったのかも知れませんが、けして言葉に出して私を責めることをしなかった彼女のやさしさと器の大きさが心に染みたものです。

腕時計を失くしたことは残念ですが、こんな自分を愛してくれる彼女は自分の誇りであり、その事実は腕時計を買ってもらったこと自体よりも嬉しく思えました。そんな彼女のことを、この先もずっと大切にしようと決めたエピソードでした。

それからちょうど10年後、私は別の女性と結婚しました。妻と交際以降初めて迎えた私の誕生日のプレゼントには、やはり腕時計を買ってもらいました。

当時と同じ、CASIOの1万2~3千円の金属ベルトの腕時計です。別に当時のことにちなんで腕時計を買ってもらった訳ではなく、それまで使用していた腕時計がたまたま壊れてしまっていたためでした。

妻から買ってもらった腕時計は、3年たった今でも私の左腕に巻き付いています。腕時計を見ると、ときどき当時のことを思い出します。

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